佐賀県は、九州の北西に位置し、地図で見ると、福岡県と長崎県にはさまれたような地形になっており、
西部は長崎県、北部、南部、東部は福岡県と隣接しています。
海、山、平野がコンパクトに収まった自然環境からか、清らかな水や山海の幸に恵まれ、
のどかな景色を作り出しています。
佐賀に住む人にとっては、これが日常。厳しい条件下に置かれた僻地もありますが、
美味しい米や野菜、魚介類は、山間地で生まれた空気や水の影響によるものです。
棚田の風景は、自然環境を守る大きな宝なのです。
耕作を続けるには、不便が強いられる棚田をどうして廃することなく守らなければならないのか。
それには深い理由と棚田が持つ役割があるのです。
生態系を守る役割
棚田には、カエルやトンボ、虫や鳥、魚などたくさんの生き物が棲んでいます。この環境下では食べる、食べられるという命のリレーで繋がっています。豊かな生態系が守られているのです。
防災の役割
斜面に階段状に形成された棚田は、水をためる機能を持っています。大雨の際でも水が急に川に流れるのを防ぐので、土砂崩れが起こりにくいという利点があります。もし、棚田が荒れている場合、雨水が斜面を直接川に流れ込み、危険度が増すのです。
美しい景観を守る役割
農山村の美しい棚田の風景は、訪れる人々に安らぎや感動を与えてくれます。代々守り継がれてきた棚田での農作業の積み重ねが「美しい日本の原風景」を映し出しているのです。
水や空気をきれいにする役割
棚田にはフィルターとしての機能があり、水の汚れを取り除き、きれいになた水が地下水となって川に流れていきます。また、太陽の熱で蒸発した棚田の水は、気温上昇を防ぎ、雨を降らせて空気を浄化する働きもあります。